- 556 名前:名無ぴ [2012/10/09(火) 22:59:01]
- ひーちゃんは中学生の頃に三人殺した
父、母、兄の三人だ
自殺しようと思って、自宅に火をつけた
はた迷惑な野郎だ
(中略)
「ねえ、映画観に行こうよ。ひーちゃんは寝ててもいいからさ」
はーちゃんはひとりごとを言った
「殺人犯が酷い目にあうやつ。一緒に見に行こうよ」
ひーちゃんがしかめづらをするのを想像して、はーちゃんは笑った
「あと、ついでにさ……こうやって行き来するもの面倒だし、一緒に住みませんか?」
なんで敬語なんだよ、と言われるのを想像して、はーちゃんは笑った
そんで泣いた
だからそれ以来、はーちゃんはしおらしくなった
煙草をやめて、髪も黒くして、化粧も薄くなった
ひーちゃんが見ても、私だと気づかないだろうな
ひーちゃんの部屋から持ち帰ったCDをかけて、
はーちゃんは自室で今日もうつらうつらする
膝に乗せたひーちゃんの頭の重みを思い出しながら、
手に触れる硬い髪の感触を思い出しながら。
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