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889:汎用みか型決戦兵器 ◆vuBlG/MIKA 09/7/10 15:0:29
野生の生物にとって、味覚と嗅覚はエサを探すための、つまり生きるための手段なわけでしょう。
(嗅覚は敵を探すのにも使えますけど)
嗅いで、咥えてみて、「これは食べられる」「これはダメだ」を感覚的に判断する。
その結果、大丈夫と分かっているものだけ、ごく決まった種類だけを食べるように嗜好が収斂進化していくのでしょう。
人類は知識と言語があるので、味覚嗅覚に頼らなくても、どれが食べられる、どれが食べられない、というのを
教えあうことができます。また、火の使用と土器の使用を覚えて、「食べられないもの」の種類がぐっと減りました。
アサリなんかの貝は、火と土器がない時代は誰も食べないでしょう。貝塚ができるのも縄文土器のできた時代ですね。
で、味覚嗅覚は生命の安全のために直接使わなくてもよくなりました。
食材は火を通したら強烈な匂いが出ますけど、その匂い如何に関わらず殺菌されてお腹を壊さない、って分かるので
焼く前の、手に入れた獲物の匂いをいちいち嗅ぐ必要はなくなるわけですよね。
それで、味覚嗅覚の方は、生命として先天的にプリインストールされた嗜好とは異なる
成長後に後天的に身に付ける嗜好で上書きして、各文化圏、各個人で異なった嗜好を見せていくわけですよね。
味覚の嗜好の上書きは人間じゃなくてもできますから(魚を食べたことのないおとなの猫は自分から魚を食べようとはしません)、
上書きされる前に何を求めていたか、が分かれば、それが「調理」という行為の誕生する前の、原初の嗜好ということになるのではないかと。
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